理学療法士をして10年以上経過し、様々な患者様の治療に携わる中で、いろいろな想いを抱きながら理学療法士を続けて参りました。
私が感じているのは、「人は住み慣れた場所で生活している時が、一番その人らしく在る」ということです。
あなたらしさ。
あなたらしく、人生を最後まで生き抜いてほしい。
そのお手伝いをすることが、私の使命のだと感じています。
訪問リハビリの世界へ飛び込んだ理由
私は恥ずかしながら、仕事を辞めて20代後半の頃に海外を自転車で3年ほど旅していたことがあります。
その時に出会った車椅子の方の、家での生活を目の当たりにしました。
海外旅行をする理学療法士。などとカッコつけていましたが、在宅生活の方の環境整備等は経験も浅く、お役に立てたかどうかはわかりません。
しかし、在宅生活の支えになることができる。と私はその時確信してしまいました。(勘違いかも)
「日本に帰ってからは、訪問リハビリの世界に進みたい。」
そう思ったのは、海外旅行をフラフラとしている時でした。
家で生活し続けたい。を叶えたい。
「自分の家が好き」
住んでいる家にいる時に人は自分らしく在ることができると思っています。
私自身も家を購入し、住み慣れた我が家が一番落ち着きますし、ここで家族とずっと生活できたら幸せだなと感じています。
しかし、歩くことが困難になり、ギリギリの状況の中で在宅生活を続けていらっしゃる方が、いらっしゃいます。
そんな方々のお役に立ちたい。
家で生活し続けたい。を叶えたい。
いつかは難しくなってしまう。そんなことはみんなわかっていると思います。
「でも、家が良いんだ。」と言われる方の、支えになることが私の使命だと今は感じています。
家に帰りたい。を叶えた施設リハビリ時代
最初に就職したのは「特別養護老人ホーム」でした。
そこで、生活されている方は基本的には「終の棲家(ついのすみか)」といわれていて、亡くなるときまで生活を続けます。
途中で帰ったりされる方はあんまりいらっしゃいません。
そんな施設なのですが、みなさん「家に帰りたい」と毎日訴えられます。
そこで一時帰宅を実現できたのは、片足の無いおじいさんでした。
あまり口数の多くない方でしたが、「家に帰りたい」と毎日訴えてこられていました。
「わかりました。奥様と連絡を取って、一回帰れないか考えていきましょう。」
と私が言い、奥様と連絡を取って2時間ほどの帰宅計画を立てました。
そして、家に帰るまでの車に乗ったり、トイレのことなど考えて実践しました。
今思えば2時間の帰宅で一瞬の出来事でしたが、私なりに「やりがい」を感じました。
「家に帰りたい。を叶えたい。」は、このときの手応えがベースにあるのかもしれません。
訪問リハビリのこだわり
どうしても、家でなければいけないのです。
どうしても、家で住み続けたいのです。
そのためなら何でもします。
と言ってくださる方は必ずいらっしゃいます。そんな方を支えていきたいのです。
現実はなかなか思うようには行きません。
苦渋の決断で、施設入所されていかれた方もいらっしゃいました。
悲しいですが、そんな時は来ると思います。
それでも悪あがきしたいじゃないですか。
わたしはそんな方のお気持ちに寄り添い、「納得できる人生」を一緒に歩んでいきたい。
そう思って訪問リハビリを頑張っています。
結局、私自身、そんな気持ちに寄り添える「訪問リハビリ」が大好きなんだと思います。