整体とジムで根本から健康を目指す整体院です

実例2 余命1年半の訪問リハビリ(外出・楽しむ事を目指して)

さつま町の訪問リハビリ
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ここでは実際に私が行ってきた訪問リハビリの実例について書いていきたいと思います。

お客様のお気持ちも配慮しつつ、可能な範囲で書かせていただきたいと思います。

目次

進行性の病気で体が思うように動かなくなる。

N様 80歳 男性 週4回60分実施

進行性の病気というのは、1日1日が大切で貴重な1日であると感じさせていただきました。

限りある命はみな同じですが、進行性の病気でこちらのお客様の余命は発症から平均5年というものでした。

さらにN様はすでに、発症から4年近く経過されていました。残された時間は少ないのです。

それでも私とN様が初めてお会いした時は、まだ介助なしで歩ける状態でした。

この病気の厄介なところは、「転ぶ病気」という事です。

まだまだ、歩くのが大丈夫な時期から転ぶことは多かったです。

しかし、N様は骨折しなかった。

骨折しないのは本当に重要で、本当に歩けなくなるまで、在宅生活を夫婦で営まれました。

明るいご夫婦

最初の印象は、とても明るくて笑顔の素敵なお二人でした。

これは、多分お二人で作られた哲学がベースになっているのかもしれないと思いました。

「残り少ない日々を笑顔で。」

健康な我々は、つい不平不満を口にしてしまいがちですが、難病や難しい疾患と闘っている方は明るく前向きに病気と戦われていることが多いように思います。

明るく、前向きに、笑顔で。

人生の先輩として、お手本として、N様ご夫婦から学ぶべきことは多いと思っていました。

訪問リハビリで元気をできるだけ維持しながら楽しく日々を過ごす

訪問リハビリをお願いされた理由は、「できるだけ歩ける期間を長くしたい。」

という事と、「いろいろなところに連れて行ってあげたい。」

という事でした。

進行性の病気で、日々悪くなる病状の中で、訪問リハビリを8ヶ月間続けてくださいました。

その中で、魚釣り・長島造形美術展・お寿司食べ・お花見など。

4回のお出かけを実現できました。

歩くことがどんどん難しくなる中で、また、体力も無くなっていく中での外出でしたから、細心の注意を払いながら進めていきました。

魚釣りに行ってみませんか?

N様は趣味の多い方で、さまざまなご趣味を楽しまれていたそうです。

そのご趣味の中の、魚釣りへ行ってみませんかと、誘ってみました。

すると、「YES」という事で、すぐに実施する計画を立てて実行しました。

釣果は、9匹釣り上げ、N様も2匹釣ることに成功!

釣りは、大成功に終わりました。

今日は外歩きができそうですか?

魚釣りは大成功に終わりましたが、日々の生活は、病魔の進行の早さに圧倒されていました。

日々体調も変動し、転ぶ事も多かったので、毎回リハビリに行ってお顔を見るまで、心配しながら訪問していました。

リハビリでできることは、

「歩く能力を維持する事」

でした。

初めのうちは、1kmほど一緒に歩くことができました。

それは、どんどん短くなっていってしまいました。

リハビリでできる事、病魔の前に、「維持」することの難しさ、完全に屈していました。

それでも、外を歩く事をやり続けることが、お出かけを続ける道でした。

だんだんと「今日は難しいです。」

と、具合が悪くなって、歩ける距離も50m、30m、10mと短くなっていきました。

長島造形美術展へ行った11月後半

だんだんと歩くことが難しくなり、長島造形美術展に行く時には車椅子を持っていきました。

それでも、N様は一度も車椅子を使うことなく30分ほど見て回り、お土産を買って帰る余裕を持ってイベントに参加されました。

ご夫婦で、手をつなぎ支え合って歩く姿は、

「老いてこそ夫婦」

という言葉を体現されているように感じました。

お寿司食べに行った寿司まどか

「お寿司屋さんにも行っておきたい!」

とご希望があり、N様の好きなお寿司を食べに寿司まどかに行きました。

年を越し、歩行はかなり困難になられ、車椅子を利用しての移動になりました。

そして、嚥下機能も低下してしまっていたので、普通の寿司は食べられませんでした。 

しかしN様、「イカが食べたい。」とのこと。

またまたご冗談を…と思いましたが、N様は本気の様子。

調理バサミを家から持参して切りながら食べようと思いましたが、イカはハサミでは切りにくい!

調理場に「小さくしてもらえませんか?」とお願いすると、驚くほど美しく、小さな寿司6貫になって帰ってきました。

追加料金なし。

これにはみんなびっくりして、その美しく可愛い小さな寿司を、N様は喜んで完食しました。

寿司まどか。良い店です。

頑張った妻の介護

本人はもちろん大変です。

大変ですが、それ以上に大変なのが「妻」です。

奥様の支えなしに、家での生活はあり得ません。

日々転ぶ夫をどうにか怪我しないように見守りながら、食事、排泄、掃除に介護と24時間頑張っていらっしゃいました。

本当に歩けなくなるまでの、微妙な間に、

N様「歩く!」

妻「転ぶからやめて!」

N様「歩く!」

妻「転ぶからやめて!」

の押し問答で、大変な時期の奥様の疲れ方がお顔から分かり、自分の無力さを感じていました。

どうにか楽にならないかと思い、車椅子を役所からお借りしましたが、小さな段差のある家の中では車椅子を妻の力で押すことは難しかったです。

もう限界…

奥様の口から出た、本音でした。

6月からスタートした訪問リハビリは、N様の施設入所という形で終わりを迎えました。

奥様は本当に頑張りました。

N様も、本当に動かない体を頑張って動いてくださいました。

N様の施設入居でN様のリハビリは終わりましたが、奥様も「介護で頑張らなといけないから」と一緒にリハビリを受けられていたので、奥様のリハビリは続きました。

最後のお花見

施設入居が決まり、頑張り続けてピンと張りつめた緊張の糸が、ふっと緩んだのを感じました。

「もう、今日はリハビリいいよ。」

頑張る意味を失うと、人はリハビリできなくなる事を知りました。

動かない体を、なんとか動かして頑張ってきたリハビリでした。

でも、頑張っても頑張っても、病気は悪くなる一方でした。それでも信じて頑張ってくださいました。

「最後に、お花見に行きたい。」

と、言われたのは奥様でした。

魚釣り、長島造形美術展、寿司まどかと楽しく外出を重ねてきたN様ご夫婦と私たち。

これが本当に最後になるのは誰でも分かりました。

桜の花、まだ咲いてない

N様の施設入居予定日は、4月1日。

その直前でしたから3月の末ごろでしたが、残念ながら開花しておらず。

「あららー、まだでしたねー」

「でもありがとう。最後に楽しかった」

と、奥様は喜ばれていました。

数日後、N様は予定通り施設入居されました。

半年後、ご逝去

N様は、施設入居後は穏やかに過ごされていました。

奥様も、ほっと穏やかな生活を過ごされている様子でした。

「在宅生活の支えになります。」

と言って、訪問リハビリを行っていますが、果たしてどこまで支えになれているかどうか、分かりません。

しかし、微力ながら奥様は私を頼り、様々なことを相談してくださいました。

4月に入居され、暑い夏を過ぎて、肌寒くなる頃にご逝去の連絡をいただきました。

いつかは来ると分かっていましたし、早く進む病気でしたから、風のように過ぎ去った日々でした。

N様のとんちの効いたトークが、爽やかに思い出されます。

まとめ

進行性の病気の方の訪問リハビリを受け持った記事を書いてきました。

訪問リハビリをしていると、家にお邪魔しますので、本当に仲良くなっていきます。

これは嬉しいことですが、お別れが辛くなる事も事実です。

N様には、本当に良い経験をさせてもらいました。

明るいお二人の笑顔が今でも思い出されます。

活動を通じて、人生を豊かにできるように。

訪問リハビリでより良い人生のお手伝いができたら、自分の仕事を嬉しく感じます。

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