腰痛に長年悩まされている方は多いです。
腰痛の治療を得意としている私としては、腰痛を治し、生活を良くするのは専門のようなものです。
高齢女性の腰痛治療を実施した例を書いてみたいと思います。
腰痛は諦めるのはまだ早いです。
正しい治療で必ず改善します。
腰痛の考え方
特別な腰痛（腰椎椎間板ヘルニア等）を除いて、腰痛の原因は必ず、体の歪み、ひっぱり、詰まりが原因です。
その根本には、体の硬さと腹筋群の弱化が影響しています。
そういった原因をひとつひとつ取り除きながら、腹筋群の強化を行っていけば腰痛は必ず改善します。
特に腰痛を引き起こす原因となるのが、大腿四頭筋（太ももの前の筋肉）が短縮し引っ張る事で起こる場合が多いようです。
腰とは全く別の部分を治療することによって、腰痛が改善するのです。
腰が痛いと言われて、腰を一生懸命もんでいる治療家がいますが、それは人間の体を理解しているとは言えません。
ひっぱり、詰まり、ズレなどの体の歪みを理解し、適切な治療をする事で、腰痛は改善していきます。
痛くて思うように動けない
B様 90歳 女性 腰痛・歩行困難 週2回
腰痛のために思うように動くことができず、夫婦生活ながら、近所の息子夫婦の支援を受けながら生活されていました。
「動けなくなると困る」
という息子さんからのお話で、訪問リハビリがスタートしました。
初見では、腰の痛みが強いので動きが悪く、両膝も痛い状態でした。
円背も強く、全身の関節可動域が狭くなっていました。
歩行はかろうじてできていましたが、実用性には程遠く、四つ這いで移動されたりしていました。
「痛みが軽くなれば、まだ動ける」
との事でしたので、まずは痛みを取ることを主にリハビリをスタートしました。
柔軟性アップと体幹筋の強化
腰痛患者の大多数は、体が硬くなり、関節可動域が狭くなっています。
お一人お一人、状況は異なるのですが、共通しているのは、股関節や大腿の筋肉の柔軟性の低下と、背骨自体の柔軟性低下です。
B様も体が硬く、背骨も変形して、柔軟性は無い状態でした。
関節や筋群を一つ一つほぐしていく
固くなっている原因箇所を評価して探していきます。
その結果、固くなったり弱くなったりしている箇所に対して治療していきます。
そうやって、ひとつひとつをほどくように治療していくと、だんだんと腰痛が改善していきます。
重要な腹筋群の強化
腰痛の原因の重要なウエイトを占めるのが、腹筋群の弱化があげられます。
腹筋は鍛えなければ弱くなる。
そして、腹筋群を強化すれば腰痛は改善されるのです。
ストレッチと腹筋強化、歩行訓練の日々
まずは腰の痛みを取るリハビリから、歩行訓練を少しずつスタートしていきました。
腰が良くなるかならないかの頃から、
「10mでも、5mでもいいから、外に出ましょう。」
と、外に出る屋外歩行も毎回少しずつ続けていきました。
腰痛の改善と共に歩行距離が伸びていった
腰痛が軽くなると、歩行距離もどんどんと伸びて、屋外歩行を100m以上できるようになりました。
こうなってくると、家での生活がかなりよくなります。
「昨日は掃除機をかけました。」
と、ご自分で掃除ができるほど回復されました。
訪問リハビリ介入当初はほとんど動けない状態だったので、こんなに良くなるとは私自身も驚きました。
リハビリの卒業
「だいぶ良くなったので、一旦リハビリやめてみます」
とご本人から話がありました。
良い調子で来ていたので、わたしも良いかなと思いました。
しかし、やはり卒業すると自分だけでは、リハビリを続けられず、再び訪問リハビリを再開したのでした。
リハビリの卒業、是か非か
私自身が考えるリハビリの卒業、できることなら続けた方が良いと思っています。
体は、動かさなければどんどん衰えてしまいます。
可能ならばリハビリを続けることで、体の良いコンディションを維持することができます。
リハビリ＝改善
だけでなく、
リハビリ＝コンディションを整える
と考えてほしいと思っています。
今ある身体機能の最大限の力を出しやすい状態に整える。
というのがリハビリの一面としてあります。
まとめ
腰痛で動けなくなっていた女性の訪問リハビリの様子を記事にしてきました。
リハビリ開始から回復が順調で、掃除機がご自身でかけられるようになるまでになりました。
その後、良くなったからとリハビリ卒業されましたが、しばらく経った後にまた、リハビリを再会されたという経過でした。
経過が順調だっただけに、一旦卒業という間が空いたことが、結果的には良くない状況になりました。
継続して訪問リハビリを続けられていたら、良い状態を続けていられたのではないか。
結果論ですが、良い状態を維持していく事は、大変なことで、とても重要なことです。
改善というより、コンディションを整える。
そういった意味合いの強いリハビリと、理解してもらえたら、より正確な理解かと思います。
腰痛でお困りの方は特に、腰痛の緩和を得意としていますのでお声かけ下さい。
