パチンコ好きな患者様と一緒に、パチンコ屋さんに行って遊戯をした事があります。
しかし、社会的にはあまり良い事ではないというのは周知の事実かなと思います。
お金が飛んでいく〜
となりますね。
そんな中ですが、座ってできる活動として訪問リハビリの中で「パチンコに行きませんか?」とパチンコリハを実施したことがあります。
良いか悪いかは別にして、意気消沈して帰ったのは、苦い思い出になりました。
パチンコがお好き
I様 76歳 左片麻痺(ステージ2)週1回
左片麻痺患者様で、脳卒中からかなり時間が経過されており、麻痺の改善は難しいような状態でした。
日常生活は妻の介護で過ごされていました。
それでも、歩行は4点杖で歩けていましたし、生活にそこまで困るような状態ではなく、「現状維持」が良いような感じがしました。
そんな中で、生活に何か目標や、刺激になるような目的がほしいと感じました。
それでも、左片麻痺なのでなかなか良い活動が思いつきませんでした。
そんな中で聞いたお話が、
「昔は夫婦でパチンコによく行きました。」
というものでした。
ご主人だけでなく、奥様もパチンコが大好きとの事でした。
一緒にみんなでパチンコに行ってみませんか?
ご主人様だけでなく、奥様にも一緒に行ってもらいたくて、お誘いしてみました。
すると、「OK」との事で、パチンコ屋さんに連絡を取って外出パチンコを実施しました。
という事で歩行訓練を50m
I様は4点杖を使用して、歩くことはできましたが、スピードが遅く、耐久性も20m程度で休まなければなりません。
しかし、人というのは目標ができると頑張れるもので、これまで20mだった歩行距離は一気に50mまで伸びました。
駐車場からパチンコ屋さんの台に座るまでは、50mほどの歩行距離は必要と考え、50mの歩行を続けました。
やる気になれば、人は結構できるものです。
いざ、パチンコ屋さんへ!
事前にパチンコ屋さんに電話を入れて、パチンコリハビリの旨について話をしていました。
そして、許可をいただいたパチンコ屋さんに行きました。
車の中で、みんなワクワクしているのを感じました。
予定は1時間半ほど。
「絶対勝つ!」とI様もやる気満々でした。
移動が大変な狭い道
パチンコ屋さんは台に座るまでに、狭い道を歩かなければいけません。
I様の歩行状態は、前傾姿勢でかなり幅を取る歩行になっていました。
その歩行で、パチンコ屋さんの狭い道を歩いて通過するのは大変な事でした。
それでも、車椅子を使う事なく、他のお客様の配慮をいただきながら、台までたどり着くことができました。
Go Go ジャグラー
ご存知の方が多いと思いますが、ゴーゴージャグラーというスロット台がお好きだというI様。
今回もゴーゴージャグラーに座り、遊戯を楽しまれました。
がしかし!
どんどん吸い込まれていく千円札…
せっかく久しぶりのI様のパチスロなのに、全然かからず、どんどんお金が減っていきました。
隣で奥様も遊戯をされていて、奥様もかからない。
なななんと!1時間半の遊戯をしましたが、一度も大当たりせずに終了!
驚きの結果に、意気消沈し、こんな外出リハビリをして良かったのだろうか…?
と、思ってしまうほどみんな意気消沈して帰りました。
誰も2回目行こう!とは言わなかった
結果的にお金大きく減ってしまった結果に、私としても申し訳ないような気持ちになりました。
今回、言い出したのは私からでしたから、大きくお金を減らす結果になって、責任を感じたのは事実です。
その後、パチンコに行こうとは、私も言いませんでしたし、I様もパチンコに行きたいとは言われませんでした。
奥様も、たまにパチンコには行かれている様子でしたが、I様と一緒に、とはならなかったようです。
まとめ
「楽しみの一環」としてパチンコ外出リハビリを計画しましたが、結果的に一回きりで終わり、残念な結果になりました。
ただ、パチンコというのはそういうものなのだと思います。
ですから負けてしまっても「また行きたい」とお客様が言われれば、月に1回程度、外出リハビリとしてご一緒する事は可能です。
大切なのは「生活がより良くなること」です。
I様の場合は、「もう一回行きたい」と言われる事もなく、終了しました。
実際には、年金生活者にとってパチンコというのはしない方が良いもの、ではないでしょうか?
私としても、ご希望があれば外出リハビリで「パチンコ」を実施する事はできますが、可能ならば「他の趣味」を探す方が良いかなと思います。
例えば、グランドゴルフ等お金はかからず、体を動かせられるもの。
その方が、健康的で結果的にも楽しく終われるかなと思いました。
パチンコ外出、個人的には楽しかったのですが。