高齢者が歩けなくなる(歩くのが大変になる)原因の1つが「転倒」です。
転ぶことにより打撲や骨折、最悪の場合頭を打って亡くなってしまうケースもあるほどです。
転ぶ事が怖くなってしまい、歩かなくなる方もいらっしゃいます。
しかし、転ばない高齢者の方もいらっしゃいます。
この、転ぶ転ばないの差は何なのでしょうか?
今回の記事では、転ぶ人が転ばなくなるようにするにはどうしたら良いのか?学べる記事を書いていきます。
結論から
人が何かにつまづいて転びそうになると、パッと足が出ますね。
私たちが転ばないのは、足が出るからです。
もっと言うと、片足でケンケンして、転びそうになっても体重を支えている足一本で体勢を整える事ができるから転ばないのです。
ということで、転びそうになっても「足が出れば転ばない。」という事です。
転ぶ方向は様々
転ぶというと、前に倒れること、とイメージする方が多いかと思いますが、それだけではありません。
後ろに転ぶ場合は尻もち。
横に倒れたり、斜めに崩れ落ちたりする事もあるでしょう。
それでも、私たちはほとんど転ばずに、転ぶ人は転んでしまいます。
あらゆる方向に足を出す事ができますし、バランスを保つ事ができるからです。
という事で、様々な方向に足が出る必要があるわけです。
転倒予防トレーニング
バランスを崩した時に足が出るようになるには、ステップ訓練をすると良いです。
①片足立ち
②後ろ歩き
③足をクロスさせる横歩き
④ケンケン(片足スクワット)
以下、詳しく見てみましょう。
①片足立ち
バランストレーニングの基本、片足立ちは自分の体を片足で支えてバランスを保つ事ができるかどうかです。
できれば10秒以上できたいもの。
それ以下になると、転倒するリスクが高い方と言えます。
1分間以上できるようになる事が目標ですね。
②後ろ歩き
尻もちをついた事がある方には特に取り入れてほしい訓練の一つが後ろ歩きです。
前や横には足が出やすいのですが、後ろには出にくい方もいらっしゃいます。
これは、立ち直り反射といわれるもので、特に脳卒中の既往がある方はこの立ち直りというバランスが低下していたりします。
後ろに足が出ないから尻もちをつく。
意外と後ろにバランスを崩す事も多いです。
大きな段差を上がる時や、歩き出した直後など。
そんな方でも、日常的に後ろ歩きをして、足を後ろに出す練習をしていると、後ろにバランスを崩した時に、スッと足が出るようになります。
非常に転びやすい動作、危険な動きですので、行われる際は手すりや壁などに手をかけながら安全に行ってください。
③足をクロスさせる横歩き
横歩きはリハビリでよく行われている訓練の一つです。
その横歩きで、足を前後にクロスさせてステップする動作をします。
後ろ歩きと同様に、非常に転びやすい動作ですので、行われる際は手すりや壁などに手をかけながら行ってください。
左方向、右方向と、左右にクロスさせながら歩きます。
横歩きには、普段鍛えにくい中臀筋という、骨盤の横のところについている筋肉を鍛える効果が期待できるので、バランスアップに効果が高い動作です。
④ケンケン
ケンケンとは、片足でピョンピョンと飛び跳ねて移動する事です。
転ぶ転ばないの1番差は、ケンケンができるかどうかだと私は思っています。
ケンケンできれば、ほぼ転ぶ心配はありません。
逆に、ケンケンができないなら、転倒する可能性がある。
ケンケンができないなら、できるように練習しましょう。
ただし、ひざが痛い、股関節が痛いなど、関節に障害がある方は無理のない範囲で行うようにしましょう。
92歳でも、ピョンと飛び跳ねて転倒回避
元気な92歳の女性の方を知っています。
彼女は、つまづいて転びそうになっても、ぴょんぴょんと飛び跳ねて体勢を立て直し、転ばずに済んだそうです。
転ぶのに年齢は関係ありませんね。
反対に、一歳の息子がいますが、よく転びます。
息子は歩き始めたばかりで、片足立ちもできませんから、左右の体重移動も少なく、足の振り出しはごく短いです。
3歳の娘は、ケンケンが最近できるようになって、転ぶ事が非常に少なくなりました。
でも、たまに転びます。
注意力が足りないのです。
注意力も転倒には大きく関与してきますね。
しかし、注意力まで話を膨らませると、記事が長くなってしまいますので、今回の記事では、「ケンケンできれば転びにくい」ということで締めたいと思います。
転ばぬ先の杖
片足立ちで10秒間立てなかった方は、転倒するリスクが高いということを先述しました。
まだ、転んでいなくても、実際には転ぶリスクは高いです。
ちょっと早いかな?と思っても、私は杖をつかれることをおすすめしています。
転んで怪我してしまってからでは遅いからです。
・カッコ悪いから嫌。
・面倒くさい
と言う方もいらっしゃいますが、転んで寝たきりになると、残りの人生が寝たきりの人生になる可能性があるのです。
お洒落な杖をつきましょう。
まとめ
冒頭で、「足が出れば転ばない」と言いました。
実際には、もっと様々な要因が重なって転ぶので、足が出れば必ずしも転ばないわけではありません。
それでも、足が出るか出ないかは、転ぶ転ばないの大きな差です。
普段から転倒予防を心がけて、日々の運動に後ろ歩きやケンケンを取り入れられてみてはいかがでしょうか。
転ぶリスクは格段に下がります。