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「訪問リハビリ」があまり普及していない7つの理由

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訪問リハビリは昔からあるようで、実はあまり実践されていないのが実情です。

ニーズはあるのに、何故か大手の病院等が力を入れてやらない。

それにはやはり理由がありました。

その訪問リハビリの大手の病院が力を入れられない理由について書いていきます。

目次

理由1 理学療法士が保険適用での訪問リハビリ開業はできない

1番訪問リハビリが普及しない理由が、理学療法士に開業権が無いという事です。

柔道整復師や鍼灸師などの開業権がある職種は、整骨院などの「痛み治療」がメインになります。

訪問リハビリというと、歩けない、外出できない、という方が対象です。

そこを得意とする理学療法士に、開業権が無いというのが最大の訪問リハビリが普及していない理由です。

理由2 訪問リハビリ事業所の設備基準が普通に考えて無理

我々理学療法士が、訪問リハビリ事業所を構えようと思うと、設備基準という点でつまづきます。

〈設備基準〉

病院・診療所または介護老人保健施設であること。

↑これ、普通に無理ですよね。

つまりドクターがいる施設、ということです。

ドクターを雇う財力もあるはずありませんし、病院や老健を作ってから訪問リハビリをスタートしなければならないことになります。

つまり、理学療法士が訪問リハビリで開業することは法律上無理と言っていいでしょう。

理由3 訪問リハビリでは、移動時間のロスがある。

実際、訪問リハビリの方がリハビリの報酬単価は高く設定されています。

ですが、移動時間等を考慮すると、病院に雇われている理学療法士は病院にいて患者さんをどんどんリハビリした方が病院の売り上げは上がるのです。

移動時間のロスが、経営としてはもったいない。

この点が、訪問リハビリに力を入れている病院が少ない理由です。

理由4 訪問看護ステーションからもリハビリ提供できるけど…

訪問看護ステーションから、訪問看護として理学療法士がリハビリを提供する事が可能です。

私も実際に訪問看護ステーションからの訪問リハビリを実施していましたが、訪問リハビリに比べ、訪問看護の需要は少ないです。

しかも、訪問看護ステーションには3人の看護師を雇わなくてはならず、需要の少ない訪問看護師を3人も雇うのは大変なことです。

また、ただでさえ病院は「看護師不足」と声が上がる昨今。

立ち上げたばかりの訪問看護ステーションに看護師が集まってくれるほど甘い世界では無い。

という事で、訪問看護でも訪問リハビリ事業所として運営するのには無理があります。

理由5 理学療法士は病院勤務で安定している

理学療法士は、かなり専門性の高い職種であると言えます。

病院からも大切にされているので、独立しようという人が少ないのも事実です。

また、営業や経営など、リハビリ意外の事務的な作業を苦手とする人も多いのも事実です。

専門性が高い故に、専門以外の部分が弱く、なかなか独立出来る人がいないのも特徴でしょう。

という事で、自費リハビリとしての理学療法士が独立している人が少ない原因でしょう。

理由6 訪問リハビリは保険適応下では、医師が必要と判断する人しか利用できない

訪問リハビリは、実は保険適用下では、誰でも利用する事ができません。

まず、普通に移動できる人は、病院に来てください。と言われます。

「家から出られない」「移動に苦労する」という理由がなければ訪問リハビリ、受けられないのです。

さらに、介護保険認定を受けている人が、訪問リハビリの主な対象者になります。

医療保険適用での訪問リハビリも存在してはいますが、「病院に通院できない」理由が無いとなかなか難しいのが現状です。

つまり、訪問リハビリは保険適用では、利用できる人がかなり限られている。のです。

理由7 1日に訪問できる件数は、多くても6〜8件が限界

訪問リハビリをしていて、一日中飛び回り、頑張って訪問しても、やっぱり6〜8件が限界です。

それ以上回ろうと思っても無理ですし、事故します。

移動には時間に余裕を持って移動したいところです。

事故をしては、元も子もないですから。

という事で、1人の理学療法士が訪問リハビリで担当できる人は、30人が目安になります。

地域全体を考えると、満足に地域に訪問リハビリを満たそうとすれば、それは多くのマンパワーも必要になります。

独立した理学療法士として思うこと

細かな法律的なこと、理学療法士としての立ち位置など、難しい問題をはらんでいる理学療法士の独立ですが。

実際に訪問リハビリ事業所として1人でスタートしてみて思うのは、地域は理学療法士を求めている。という事です。

理学療法士の開業権を巡って、PT協会は政治家を出したりしていますが、なかなか難しい実情があります。

そんな現在ですが、理学療法士の職域を拡げて、地域を理学療法士が良くしていくこと。

それは理学療法士にしかできないと感じています。

もっと、理学療法士が地域に出る事が、社会のイノベーションに繋がると確信しています。

まとめ

訪問リハビリがあんまり普及していない理由を書いてきました。

あんまり普及していないのに、需要はたくさんあります。

これはやらない手はないと思うのですが、様々な理由から理学療法士が地域に出ていません。

本来なら、「訪問リハビリ事業所」を保険適用で理学療法士が開業できるのが1番良いのですが、それが叶うのはまだまだ先の話です。

10割負担で訪問リハビリを経営していくことは、これまた難しいところもあるのですが、私のこのアクションが、次の人達を導いていると信じています。

以上、訪問リハビリがあまり普及していない理由でした。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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