2018年の論文です。
目次
研究内容
マッサージ群とライトタッチ群、標準ケア群の3群の比較で変形性ひざ関節症患者222名に対して多施設のランダム化比較試験を実施した。
アウトカムは変形性ひざ関節症の評価スケールである、WOMACスコアで比較した。
結論
8週間後には、マッサージ群では優位に改善が見られたが、52週間後には有意差は認められなかった。
評価
試験は本格的なランダム化比較試験であった。
結果は「短期治療としては有効だが、長期治療としては無益」
という、解釈の難しい結論となった。
私見
治療介入後すぐは、障害による二時的な症状(筋トーン亢進・血行不良など)が生じていると思われる。
マッサージはその二時的な症状の解消には有効だったのではないか。
しかし、変形性ひざ関節症の歩行能力の改善や障害の改善には、筋力強化が有効という報告があり、マッサージだけでは、根本的な治療には繋がらないという解釈ができる。
今回の報告は、介入当初ではマッサージは有効という事であれば、介入時にマッサージを取り入れても治療として根拠があるとの解釈もできる。
変形性膝関節症に、股関節の筋群を鍛える?【論文研究3】
変形性膝関節症の治療には、股関節トレーニングが有効であるという報告である。大腿四頭筋の強化に加え、股関節筋群の強化も治療に取り入れたい。