2017年発表の論文です。
目次
研究内容
対象者(対象群)
通所リハ利用中の慢性期片麻痺患者43名(男性23名、女性20名)に対し、通常治療群20名、併用促通反復療法群23名の2群で比較した。
年齢は平均±標準偏差65.4±8.11(45-86)歳
罹患期間は48.6±25.4(8-98)ヶ月
※対象者は、意思疎通に問題が無く、理解が十分で明らかな高次脳機能障害が無いことを条件とした。
方法
治療内容は通常治療、もしくは併用促通反復療法を1回30分行い、追加して自主訓練を60分程度の治療を週2回の頻度で12週間実施。
併用促通反復療法
①電気治療用の電極を貼付
治療的電気刺激用の電極を促通反復療法の対象となる筋群のモーターポイントを挟むように電極を貼付
②振動刺激を実施
手指屈筋群の痙縮抑制のために振動刺激痙縮抑制法用のマッサージャーを用いて、手のひらや痙縮筋に周波数91Hzの振動刺激を数分間与える
③電気刺激を与えながら促通反復療法
電気刺激の強度を運動閾値に設定して促通反復療法を実施した。
通常治療
麻痺側の関節可動域やストレッチング、筋力増強といった治療を実施した。
評価方法
麻痺側の上肢と手指機能に上田式12段階片麻痺テストを実施し、治療前と12週後の比較を行った。
結果
併用促通反復療法群の改善が優位であった。
12週間、週2回の治療でも麻痺の改善に有意差が認められたことは、併用促通反復療法の高い治療効果を反映している。